本日から助手展がスタートします。
■RA'10 武蔵野美術大学助手研究発表
助手さんがどういう作品を作っているか、学生さんはチェックですぞ!
さて、コミタクくんの質問に答えるシリーズの続きです。
前回はこちら。
■コミクエ_手羽の場合1
2. 数学等(高校で学んだことってこと?)はこれからも必要か。
もう少し具体的に質問意図を聞きたいところだけど、考えられるものを4つ書きます。
まず「美大のカリキュラム」について。
「美大」の一番誤解受けてる部分は、「一日中絵を描いてる大学」と思われてること。
一応大学なんで(笑)、哲学・数学・民俗学・英語・法学・西洋美術史といった講義・・いわゆる一般教養科目もちゃんとあります。
ムサビだと、半日は必ず講義課目です。
(講義課目の単位が取り終われば、その分実技に時間を回すことができるけど)
ファインアート・デザイン関係なく、この講義課目の単位が足りなければ卒業できません。
なので、高校までに習った一般常識レベル・基礎レベルのものは授業と大きく関係します。
次に「美大・美術業界でのコミュニケーション」について。
美大では作品でコミュニケーションを取ることがあります。
作ったものを見て、「この人はこういうことを普段思ってたんだなあ・・」「こんな視点を持ってるんだな」「この色使いは●●さんだな」と気づき、作品から友達の人間分析することがしょっちゅう(笑)
でも、普段のコミュニケーションとなると、英語・現代国語能力はもちろんですが、意外と古文・世界史(または日本史)の知識って美大・美術業界でのコミュニケーションでは、必要なシーン、またはあった方がいい場合が多い。
例えば、12月に放送してた「カノッサの屈辱 冬の特別講習 ゲーム宗教改革と民衆の勃興」は世界史を知らないと全然面白くもなんとない・・というのと似てるかも。
(ま、あれはFFの宣伝だったけど)
これは美大生ならわかってくれるんじゃないかしら。
そして、「数学の必要性」について。
ムサビには「数学受験」というものがあります。
具体的には基礎デザイン学科・芸術文化学科・デザイン情報学科については、選択肢によって、実技をやらずに国語・外国語、そして数学で受験することが可能です。
*基礎デはプラス小論文が必須。
また、映像学科は「感覚テスト」という実技試験(に近いもの)が必須ですが、選択肢に数学があったり、建築学科は数学・立体構成・鉛筆デッサンの中から2科目選択だったり、数学の点で他の補うことが可能です。
(詳細は募集概要を)
で、よく「数学で入学したら、ついていけるのか心配」と言われるんですが、考えてもみてください。
ついていけない子がたくさんいるようだったら、そんな入試はやめてますって(笑)
芸文・デ情は10年前から、基礎デはもっと前からこの試験方式です。
なんで数学受験をやってるかというと、「数学の方程式をいくつ知ってるか」ってことではなく、数学で学ぶ「問題把握能力」「論理的思考能力」がデザインをやる上で大きく関係するからなんです。
「●●は■■が問題点である」
↓
「仮説を立てる」
↓
「解消するためにこんな企画をやりたい」
↓
「それを成立する上ではこれとこれが必要」
↓
「それが必要ならここから手をつけないといけない」
という、問題点を把握し、情報を整理整頓し、実現に向けて論理的に思考・解決・行動する能力。
これが数学で養われる思考法であり、まさにこれがデザインです。
先生に聞いた話だと、数学入学組・・もしくは数学の得点が高い人はこの能力が高いので、大学に入ってからデザインを学んでも習得スピードが速いそうです。
また、建築はご存知の通り数学が絶対に必要だし、映像制作って実は数学的要素が高いような気はしてます。
入学試験科目・問題とは、「こういう人材が欲しい」という、その学科のポリシーそのものなんですね。
そして最後に「就職した時に」という話。
OBや企業のチーフデザイナーさんに聞くと、誰もが「もっと経営的なものを大学で教えて欲しかった」「教養科目をちゃんと受講すればよかった・・」と言います。
会社に入ると、予算的・経営的なものをデザイナーも把握しないといけない。
「数学が嫌いで美大に入ったのに」なんて言ってられなくなる(笑)
プロダクトデザインなんかは顕著で、流通してるプロダクトはデザイナーが好き勝手にデザインしたものではなく、法・経費・経済・流通等いろいろなな諸条件をクリアして世の中に出てます。
このあたりのことは、ムサビ日記OBの某大手プロダクトメーカに勤める珍念くん・某大手食品メーカーに勤めるニアさんが書いてくれた話が、かなりリアルです。
■久しぶりに日記を書いてもらおう3 -珍念くん編-
■久しぶりに日記を書いてもらおう16 -珍念くん編-
■久しぶりに日記を書いてもらおう19 -ニアさん編-
なので「美大に入ったら、高校での勉強は一切必要ない」 ってことはなく、逆に美大に入ったら今は必要ないと思うかもしれない一般教養課目を頑張って取るべきです。
美大をオードリーで例えるならば、実技が春日、教養科目が若林ってことなのかしれない。
派手だからマスコミや子どもは春日に注目するけど、大人は「若林がオードリー」だと気がついている。(はんにゃ・フルーツポンチではこの例が使えない)
こんなところでいいかしらん。
Comments:1
- 数学好き 2010年2月25日 02:43
建築学科では微分積分を、デザイン情報学科では二次曲線を重点的に勉強しておくと、入試上だけでなく入学後も有利に学習を進められると思います。理由は各学科の科目一覧を見て、少しでも学習内容を考えれば明らかです。
試験範囲が建築学科でⅠ・Ⅱ・A、デザイン情報学科でⅠ・A・Cを課していますが、どうして二つの学科で要求される範囲が異なるのか、これも同様です。(個人的には、建築学科の数学は、せめて数学Bまで課した方がいいのではないか、と思っていますが…)
受験生は自信を持って数学で受験すべきです。他にも、記述式の試験では受験生の何を見たいのか、逆に受験生はどのような態度で試験に臨むべきなのか。易しめの問題が中心ということは、受験者には何が要求されているのか。
一般教科といえど、学科(あるいは大学の)ポリシーは明らかです。
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