- 2010年5月26日 04:52
- 徒然手羽話
前回の続き
■小学校の現状1 -国語と道徳-
■小学校の現状2 -図工と親-
■小学校の現状3 -みちくさと四輪-
■小学校の現状4 -知識と知恵-
今まで美術教育についていろいろ書いてきましたが、私の論点・視点に足りない部分があります。
なんだかんだ手羽は第3者ではない、ってこと。
画塾で絵を習い、美大に入り、美大に就職してる。
思いっきり当事者であって、意識しないところで「美術教育は必要だ」ということをスタートラインとして思考してる。
だって、「美術教育は不必要だ」という結論では、自分の存在、これまでの人生、今の自分を否定することになるもの。
「美大出身の美大職員」というマイノリティが、手羽の「強み」な一方、これが「弱み」にもなってる。
例えば「美大の入試で実技試験は必要か?」という議論になった場合。
私はデッサンが美術表現の基本だと思ってるし、「デッサンの勉強をせずして美術を語るな」とも正直思ってます。
それがいわゆる「入試対策デッサン」だろうが構わないんです。
集中的に基礎デッサンで学んだことは、それ以上の価値があるんで。
だから、ちょこちょこっと教員から「デッサンとは?」みたいな話を聞いたり、本で得た情報だけで、それをあたかも自分が理解してるかのように受験生に「デッサンとは・・」とか「実技試験は必要ない」なんて説明してる美大広報を見てると、「うちらは必死に手を汚して習得したんだよ!だったら、今ここであんたがデッサン描いてみなよ!描けないでしょ?構図が取れるようになるのにどれくらい時間がかかって、形が取れるようになるのにどれくらい頑張らなくちゃいけないのかわかってるのか!美術をなめんじゃね!」と説教したくなります(笑)
でも、これは私が画塾でデッサンの勉強をしてムサビに入学したからに過ぎない。
当事者としての意見は言えるけど、フリーの状態で可否を議論する立場では、本当はないんですね。
経験者としての説得力はあるかもしれないけど、誰もが納得できるような説得力には絶対になりえない。
そこは一般大学から美大広報になった人の方が客観的に問題点と利点を理解してるはずなので、うらやましく感じてます。
これが美大出身者の手羽の強みであり、弱み。
基本的には強みを「自分の売り」としていろいろやってるわけですが、それが弱みであることも充分理解してます(笑)
「小学校の現状3」で登場した図工の先生の話は、「児童術教育の必要性」をこれまでとは違う視点で説明してて、すごく理解しやすい話でした。
反響も大きかった。
あ、昨日、9号館前で突然「手羽さん!!」と学生さんに声をかけられたんですよ。
振り向くと知らない学生さん。
「手羽さん・・・ですよね?」
「はい。手羽です・・・」
ってまるで「はい。私が変なおじさんです」的な返事をしちゃった。
「えーと・・・ごめん・・・日記メンバーだっけ?」
「違います(笑)」
「へ?じゃ、なんで顔を知ってるの?」
「実は受験生の時、オープンキャンパスでムサタマトークを聞いて、ムサビを受験したんですよ。今2年生です」
「おっ。それは嬉しいなあ」
「今でも手羽さんの日記は読んでますよ」
「それはもっとありがたい」
「私、教職取ってないんですけど、最近書いてた美術教育の話。まじやばいっすね。これからどうなっちゃうんでしょうね」
とコメントをもらったくらい、反響が大きかった(笑)
(ムサタマトークも私と米山さんの「強み」を使ったイベントと言えますね)
ただ。
あの話の問題点は、この先生が女子美卒で図工の先生だってこと。
そりゃ、美術教育の必要性を何かと理由つけて「必要だ!」と言うに決まってます。
「手遊びをしてなくても医者になれるし、実際に今もなってるじゃん(笑)」とか反論しようと思えば、実はいろいろ反論できる。
根拠データがないし、人によっては「言い訳にすぎない」話。
実は、私も四輪さんと同じく、油粘土の匂いが手につくのが嫌で嫌で。
それに自分が希望してる形どおりに造形できる素材でもないので、粘土遊び自体、あまり好きではありませんでした(笑)
そういう人間が彫刻学科に入ってるわけですから。
(でも、もし「水粘土」という存在を早くに知ってたら、また違ってたかもしれません)
「美術教育の必要性」を訴えてるサイトって結構あるんですが、その9割ぐらいは現役の美術教員。
現場で美術教育に携わりながら、心から「このままじゃやばい!」と感じてらっしゃる方ばかりなのですが、「それはオマンマの食い上げになっちゃうからでしょ?」と言われてしまうと議論が出来なくなってしまう。
「ええ。そんなことは承知した上で、あえて私たちは発信してます」
ということを書きたくて。
今日はそんな「言い訳」みたいな話を。
誰かが言わないといけないわけだしね。
そうそう。
ところでジョシビの先生がどういう図工の授業をやってたか書いていませんでしたね。
次回はその話を。
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Comments:3
- まつり 2010年5月26日 12:38
今年娘が美大生になった、昔小学校の図工専科してた者です。
突然すみません。毎日手羽日記読むのが日課です。美術教育が必要かそうでないか、客観的に考えろって、
今はやりの事業仕分けみたいじゃないですかぁ(笑)必殺仕分け人の視点は税金の無駄遣いかどうかって一点だと思うのですが、
それもこれも政府が借金だらけっていう、お金ないよっていう、逼迫した状況だから
ほとんど脅しのような感じで。
庶民から見ると私腹を肥やしてるらしき悪の行政法人が切られるのはスカッとしますが。手羽さんは、当事者としての視点しか持てないっておっしゃいますが、
美術の道とは無関係の一般の人の意見って、そんなに当事者と違うものでしょうか?
そもそも、そんな人いる?
誰だって自分が経験したこと以外のことを考えるのって限界があるし、
自分と関わりのある部分でしか考えられないと思うし。
税金をめぐる攻防としては、仕分け人もひとつの視点で考えてるし、
両方当事者なんじゃないでしょうか。
だから、子供が授業で図工を習ってるという視点で考えてるお母さんがいたとして、
その人がそのことを考えてる時点で、もう当事者と言えるんじゃないでしょうか?危機感の違いは、そのことを大事と思うかどうかの違いで、当事者かどうかの違いじゃない気がします。
おまんまの食い上げ視点からいうと、それはまた違う危機感がありますが。それと、いまだに油粘土が使われているというのが、単に乾かなくて何度も使えるという利点からなら、
それは教育的でもないし、本気でどろんこ造形遊びを教育的にやるなら、土粘土を使うでしょう。
油粘土が好きなんて子そんなにいないと思いますよ。- ゴン子の母 2010年5月26日 22:22
お久しぶりでございます。 毎日 手羽日記を楽しみにしています。
部外者の意見といたしまして恐る恐る書いている次第です。
一概には言えないと思うのですが、美術の好きな子は 物心つく前から美術が好きなのでは?と思うのですが・・・
たとえば 箸が持てるようになる前からクレヨンを持ち、顔ほどもあるハサミを器用に使い、暇さえあれば朝から晩までなにかしらの工作をしている。 はい ゴン子がそうでした。
この子は美術が好きなのだなあと思い、クレヨンや折り紙を欲しがるだけ与え、大きくなっても授業のノートはとらずともラクガキはし、自然と子供の絵画教室に行きたがり、美術部に入り、美大の受験を考える。
その中に、残念ながら小学生の時の図工の時間の話しは入ってきません。(ゴン子から聞いたことがありません)
むかしむかーしの日本、海外で活躍した美術家達の子供の頃、図工の時間なんてあったのでしょうか?それよりも、美術を勉強して社会に出たときにいかに生かしていけるかということ。
以前、手羽さんも書かれていましたが美術がどれほど社会で活用されているのかということ。
この不況の世の中、親は親だからこそ子供がひとり立ちできるのか案じています。
好きな事をさせてあげたいと思う反面、正直 ゴン子が男の子だったら美大受験に躊躇したかもしれません。とても長くなってしまいました。すみません 途中 論点もずれてしまっている気もするのですが
小学校の美術の時間を否定しているものではありません。
学校の美術の時間に美術に目覚めた方もたくさんいるとは思います。
あくまでも美術界に疎い素人の考えです。
- うめさわぁ~ 2010年5月27日 01:53
はじめまして!この春から娘がムサビでお世話になっている、うめさわぁ~と申します。
どうぞよろしくお願いします。娘が美大に入りましたが、私自身は小・中学校で美術を習っただけなので(高校では音楽を選択)
第3者として美術を語ってもいいかなぁ~?と・・・語らせてもらいます。今は授業時間が少なくなり、その結果、図工などに皺寄せが来ているのだと思いますが、
詰め込み教育の中で最小限でも設けられている図工の時間だからこそ、
小学校の図工には、『情操教育』を1番の学ぶ理由として欲しいなと思います。>『最先端治療』って言いますけど、結局プロフェッショナルなお医者さんが神業のような手で手術・・・
それは、そのための訓練をし、沢山の手術をしていく中で身につけていったものだと思うんです。
もちろん持って生まれた手先の器用さと、医者としてのセンスで違いは有るでしょうが、
初めから出来た訳では無いと思いますし、大変な努力をなさっていると思います。
それは他の仕事や、家事などでも同じことですよね。
私は、カッターナイフで鉛筆を削れませんが、
包丁でジャガイモの皮も剥けない美大生の娘は、すばらしく美しく鉛筆を削り上げますwww『図工』は自分の心の中、思いを形に現すことだと思っています。
国語や算数には正解があって、それ以外は間違いと言うことになるけれど、
図工には決められた形は無いですよね。
いつも情報を受け取るだけの子供たちが、自分の考えを思いのまま形に現して発信できるんです。
『手を動かすこと』は、とても大事なことなのですが、こんな時代ですから、子供たちには図工から、
『心を動かすこと』を学んで欲しいなと考えます。
先生は、「道具の使い方や素材の特性はある程度知識で何とかなります。」
とおっしゃっていましたが、その知識は子供は持っていません。
先生には、初めての物で安全に楽しく作業ができるように教えていただけたならと思います。
話は変わりますが・・・手羽さん。手羽さんは『美術教育について』、当事者としての意見を述べていればいいのではないでしょうか!
一般大学から美大広報になった方は、おそらく相当苦労をしていると思います。
教員から話を聞いたり、本で得た情報しかないのに美大の受験生(ある意味玄人)相手に説明なんて・・・
手羽さんにしてみたら説教したくなる気持ちもわかりますがw、
でも、美術の素人を採用したのは大学側なんですよ。
美大出身者の強みだけじゃなく、弱みも理解していると言う手羽さんは、すばらしいと思います。
手羽さんがフリーの状態になる必要はありますか?
経験者としての説得力は、とても大事ですよ。初めてなのに、長くなってしまって(^^;)
文章もまとまらず、素人なのにいろいろ生意気なこと書いてしまいました。
ごめんなさい。。。
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