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美大日記::タマビの米山

精細に観察すること

  • 2012年2月 3日 05:13

多摩美も入試が近くなってきました。
体調管理しっかりしてくださいね。

特に現役生は不安ですよね。
浪人?は嫌だなと思い、気ばかりが焦る。
いろいろな大学を受験してるから、
何していいかねらいが絞れなくなる。

ムサビはデッサン3時間で効率的に・・・(もっと描きたいのに!)
多摩美はデッサン5時間でじっくりやって・・・(時間が余って余分なことやりすぎちゃう!)
それぞれ考えがあってのことだ。
ちなみに多摩美の方が運営経費はかかってる。

例えば視覚伝達にしろグラフィックにしろ、
体内時計で絵を仕上げられるほど練習してきたんだろう。
けれど、不安だ。

で、現役生は今一度、確認をしよう。
各大学は、過去の入試的正解をのぞんでいるわけではない。
背伸びしてないか?
本当に自分が感動して絵にしたいことなのか?

入試は、確かに、絵がうまい、下手という評価のみではない。
しかし、基本的にうまく描きたいという欲求をもちながら多くの人が絵を描いていると思う。
うまいは技術をさらにあげていく魔法のようなものでもある。
何も悪いことではない。
ただし、いろいろな価値観があるのは、大学へ入学してからわかることである。
その価値観も、技術によって支えられていること多い。

野球でいえば、キャッチボールができなければ、やっぱりピッチャーはできない。
ルールに詳しくて、勝負魂があっても、投げる球に力がない、投げたい所に投げられない、では話にならない。また試合に勝つには、1試合(3アウト×9回)27のアウトをとることを忘れてはいけない。1アウトとって喜んでも、そんなんでは誰も信用してくれない。偶然でしょ?まだまだ先の長い話なのである。

過去の合格作品の外身だけ真似るようなことはしないこと。
まずは、よくよく観察して、正確に現すことに没頭してごらん。
たぶん、それだけでお腹いっぱいだよ。
そして腹が据わるはず。

何年か勉強しているような先輩受験生は、
そういうのを経験した上で、
自分の感動を味わい深く表現し、
またそういう表現の面白さを知って、ますます調子のつけ方に磨きがかり、
絵が自由自在になっているんだと思うよ。

当然、自由自在な絵にもプロセスがあるわけで、
そのプロセスを知らずに、上辺の表層的な表現のみに執着していたら、
それは何なんだろうか?
うまくはまったとしても、見る人は残念ながら興味をもってくれない。
表現が露骨すぎたり曖昧すぎたりしてしまうんだと思う。

確かに、腹据えて、実直にやっていても、
過去の合格作品に似ているものになってしまうこともあるかもしれない。
ただ似せてることと、似ることは別だ。
ロポットと人間の身体ぐらい違うでしょ。
見る方はきっとわかる。

とにかく、現役生は、可能性を見せよう。
可能性とは変わったことをやることではないよ。
あたりまえのことをあたりまえにやりつつ、
その流れの中で、深度を増していくイメージだろうな。

よくよく観察すること。

慌てす、冷静に、冷静に。
じっくり対象と向き合って、がんばりましょー。

 

夜明けまで付き合うの

  • 2012年1月31日 06:33

ムサビの卒業制作展は一週間前の出来事か。
集大成を発表するという雰囲気に包まれてたな。
美術館が整備されたこともあってとても魅力的だった。

真夜中にこんばんは。
きっとおはように切り替わる時間に更新することになるかな。

何だろう、眠られない。
年齢のせいだろうか?いやだな。
急いで寝なければと思い過ぎたか。

高校時代に1回金縛りってものにかかったことがある。
夜明け前のちょうどこんな時間だったと思う。
正確に金縛りっていうのかどうかもわからないけれど、
頭が冴えてなのか、身体が疲れてなのか、
とにかく、意識が天井あたりまであがって、ベットで寝ている自分が見えた。
ベットにいる自分は、いつもと様子が違うことに不安を感じはじめたんだろう、
一生懸命なにか声を出そうするが、声が出ない。
音が聞こえなくなっただけなのか?

ベットで寝ている自分はもう見えない。
天井が見える。
まったく身体が動かない。焦る。
ありったけの力を込めて声を出そうとする。
力めば力むほど、グルグルまわりながらどこかに落ちていく。

長いこと叫んだり、もがいたりしていたと思う。
当然、それはつもりであって、
本当は何も聞こえないし、まったく動けてもなかったと思う。


「アッー」

破れた。
声もでて、そして平衡感覚が戻った。
上半身をねじって、シーツで顔を拭いた。

心臓の音が夜明け間近の部屋の中をズンズン響いていた。

確か、その日はテストだったと思う。
寝ないで学校行こうとしていたんだけれど、
ちょっとだけベットに横になったときにおきたこと。

もう朝だ。
今日はこのまま仕事いかんとな。
ベットには横にならない。


徹夜組の受験生の皆さん、おはよう!
今日はもう寝ないように。
そろそろ昼間モードにしていきたいね。

風邪ひかないように。

それと・・
唐突だけれど・・
コミュニケーションとは相手と分かち合うことだよ。
言葉も大事だけれど、
美大入試はビジュアルでそれをやるんだからね。
とにかく、ひとりよがりにならないこと。
だからといって、無難にやるのももったいないなー。

自分のセンスを魅力的にみせる。
そのためにたくさんのトレーニングを積んできた。


はばたけ。

いつかどこかで出会っても・・

  • 2012年1月21日 04:09

美大日記の皆さんとお会いして一週間が過ぎましたか。

女子美生物部さんは内に秘めてる子ですね。
胡椒がきいてる紹介ありがとう。
涙がでるよ。

手羽さんは褒めてくれますよ。
ああいう場は勢いある人がたくさんしゃべるけれど、
あれ以後、
オフ会企画者のマイクさんと共に美大日記にとても貢献してるんじゃないですか!
偉い偉い。これからも頑張って。
マイクさんも責任感あるねー。
手羽さんきっと喜んでるよ。やってよかったって。
ちなみに、集合写真いつとったのさ?写ってない米山さんでした。

ちなみに、酔って登場したのは僕じゃないですから。←生物部さん
人一番人見知りの手羽さんですよ。知らなかった?
実は一杯ひっかけてきたって、飲まないとこれないよーだって。

ちなみに、
私は息子と京橋の警察博物館で、
制服着たり、パトカーやら白バイ乗ったり、
コノヤロ逮捕するぞー!とか散々はしゃいだあとみんなの所へ駆けつけたのでした。
好きだよねー、ピーポ。

京都造形の吉田さんもわざわざ手羽さんの一言にご苦労さまでした。
二次会楽しかったよ。

東北芸工のT君ねー、
日芸の子たちはね、なんかだいたいいつでも世代を越えてんだよね。
守備範囲が広いよー、あの子達はー。文芸と放送。
にゃんちゅーなんて、もう、にゃんちゅーじゃない。
早く小説読ましてね。
ピーチコさんなんて、手羽さんがビチコって。
もう面倒だからビチコでいいー、いや・・実はもともとビチコだったかもしれない・・
みたいなノリでしょ。
違かったけ?

と、いろんな人に出会えたこと、みなさんに感謝です。


さて、
今日は青山にある国連大学で開催していた
バナナテキスタイルプロジェクト展覧会とフォーラム行ってきました。

内容やら感想は、少し消化してからじゃないと書いちゃいけないような気がするけれど、
後日・・んんん・・今か。

文字以上の、言葉以上の、なんだろう、
軽いって、先生方に怒られそうだけれど、感動的だったな。
研究っていうのは、子供の成長のようなものだと思いました。

フォーラムは今日のみでしたが、
展覧会は、1月28日(土)までやってます。
時間のある方は、
表参道にある青山学院大学前の国連大学1階地球環境パートナーシッププラザまでぜひどうぞ。
特に、下記はバナナ繊維に触れることができる日です。

◎1月21日(土)10:00〜17:00 ワークショップ(随時参加可)
◎1月28日(土)10:00〜16:00 ワークショップ(随時参加可)+学生ギャラリートーク

本学テキスタイルデザイン専攻を志願している受験生。
頑張ってください。
いいデザイン教育がまってる。
なぜものを作るの?
繊維の話も大事だけれど、
それ以上に大事なことを先生方は未来を担う君たちに伝える準備をしている。

デザインを勉強したい高校生は多摩美のテキスタイルデザイン専攻に注目してごらん。

2000年からはじまった小さなプロジェクトは、
多くの学生が関わり、外部の評価に背中をおされ、
学科を越え、大学を越え、国を越え、
アフリカのバナナ生産国では、
このバナナテキスタイルによって、
農村開発、女性の企業家育成、貧困対策などに展開できるとして、
国家元首まで動かす大きなものになっている。
当然、産業界も注目する。
スズキ自動車、ドールなどから大変高い評価と支援もいただいた。

持続可能な社会、資源や地球環境は有限である、
この大きいテーマをもって、
バナナテキスタイルプロジェクトは続けられ、
またバナナ繊維に限定することなく、
地球環境を考えたデザイン教育への取り組みがなされていく。

そして何より、テキスタイルデザイン専攻には、
根底に素材研究からはじめるデザイン教育の強さがあるんだと思う。

入試に辿り着くまでに

  • 2012年1月13日 04:16

2012年、
何日も過ぎてしまいましたが、今年もよろしくお願いします。

現在、美術学部は出願受付中です。

来週1/18(水)からバナナテキスタイルプロジェクトの展覧会が、
東京青山の国連大学で開催されます。
地に足がついた多摩美のデザイン教育の一端をみてください。
1/20(金)のフォーラムは申し込み制ですが、まだ席に余裕があるようです。
ぜひご参加ください。
受験生や保護者の方も、
自分の目で多摩美は受験で目指す価値のある大学かどうか確かめてみてください。
多摩美テキスタイルデザインは内容が濃いですよ。
手羽さん、席用意してありますから。

そして卒業制作展の詳細はこちらです。

多摩美の学外展の特徴は学生の自主的活動を基本としています。
当然、資金は学生たち自身で工面していて、大学は負担していません。
それだけに作品を制作する力もさることながら、
作品を発信する意欲と意力に脱帽です。
それが学外展の魅力です。
蛇足ですが、
八王子キャンパスの卒業式にあわせて行っている美術学部・大学院の学内展の展示のテンションが低く見えるのも、学外展こそ卒業制作展であると自負している学生が多いからなんだよね。
大学にやらされているってのも面白くないのかな。

私が職員になったばかりの頃、
当時の部長や先輩が話し合って、
せめて高校生への広報活動だけでも大学がやるべきじゃないのかと、
学生たちが作った各展覧会のDMを買い取って高校生へ郵送することにしたんです。
その時、
学科単位のものだけでなく個展やグループ展も一緒に宣伝してあげようということになって、
それはDMの買い取りをやめた今でも続けられています。
卒業制作展の中にある個展の案内をみて、大学が推している学生ですか?と質問されますが、
上に書いた流れで案内しています。

さて、今さらですが、
手羽さん日記の美術系大学の数で思うことって絡まなければと思っていたことを思い出しました。
あと、インターンシップ演習2011にも付け加えないとですね。


大学受験の現状は、
朝日新聞と河合塾がまとめた大学のアンケート結果をみると、とてもわかりやすい。
現状、美大に限らず、約6割の私立大学が入学者の半数以上を推薦・AOで確保していることがわかります。
ちなみに多摩美美術学部は入学定員の約97%が一般入試です。

学力が足りなくても大学に入れるすごい時代になったもんだと、
大人達が今の大学生を少しマイナスな感じで捉えることがあります。
きっと高校生にしてみたら何のことかわからないと思います。

大学の数を増やしたのは今の若者ではないし、
多くの大学が出来たことは悪いことではないんだと思います。

ただふくれあがったものはそのうちしぼむでしょ
そういう時にやっと大学も人も本性がみえてくる。
ゆとりある時には何でもよく見えるものだね。
大学なら、個性に磨きをかけてもらえるところなのか?
人なら、品性があるかないかとでもいっておこうか。

どんな状態・過程でも見極められる人になりたいものですな。

そんなことはどうでもよくて、
とにかく高校生は、
今後の人生を、社会や大人達に勘違いされないためにも、
先達を研究して、勉学に励む必要がある。
勉強して何のためになるとは安易に嘆かない。
であれば大学に進学する必要もないだろう。

笑われていることと、笑わしていることの違いを知りなさいと、
ベテラン芸人さんが若い芸人さんにアドバイスしていたのを思い出した。
どの世界も同じだなと思う。
合格させられているのか、合格を勝ち取ったのか、の違い。

推薦やAO入試を主とする大学は、
入学定員を確保するための試験制度と思われないよう努力すべきなんだろう。
大学はどこでも高校生に入学がゴールじゃないよと言っているが、
大学こそ入学させることをゴールにしているのではないかと疑わられないように気をつけるべきだ。

ある人に「米山さん、10年後には受験生が4万人ぐらいスリムになるよ」と言われた。
大学でいえば、入学定員500人規模の大学が80校程スリムになるということだ。

人も大学も信念もってやって、失敗したら反省するってのが重要だ。
特に若い人は反省するたびに成長する。
信念もってやってると反省できるけれど、
信念と面子をはき違えているとなかなかそうならない。
自分の足りなさに気付かず、他のせいにする病気になる。
嘘ついていることも忘れて、さらに嘘をつく、
うまく生きていると錯覚する・・ああ大変だ。

入試に辿り着くまでに、
ボロボロになって絵をやってる受験生。
いいんだよそれで。
うまくなんて生きなくったっていいんだよ。
ハッタリはバレちゃうよ。
ボロボロがいいんです。
早くに大学決めちゃった子達に味わえないこと味わおう、
羨ましいと思わそう。
行きたくないようなところしか受からなかったら浪人でいいんだよ。
やっぱり行きたいと思うところがいい。
ボロボロになったら甘えていい。
親には浪人ってことで焦ったふりをしておいて、
現役とか浪人とかどうでもいいんだから、とにかく自分の描く絵を気にしなさい。
1年でも腰据えて絵をやると、大学入ってから違うみたいだよ。
違うんだよっていうことはさ、それを実感できる授業で成り立っているってことだよ。

美大はね、造形力がなかったら意味がないぐらい激しく思い込んだ方が集中できる。
そして、うまいへたは練習次第。
当然うまくなったほうがいい。
そうすればもっと価値観が広がるし、もっともっとものを疑うことも知れるだろう。
社会にでたら造形力だけで生きれる時代じゃないんだろうけれど、
造形力もない美大生に誰が惹かれる?
それを軸に、大学入っていろいろな能力が引き出され磨かれ結合されて社会にでていくの。
あの能力もこの能力もと入学前にうるさいこと・・それにあわせて推薦やAOでしょ、高校生は何やっていいかわからないでしょ。そういう能力は、努力なしでいいでしょ、みたいなねー。本当にどこで練習すればいいの?

あの能力もこの能力も、そういうのはあとでいいでしょ。だめ?
だから大学入る前は絵を磨こう。磨き損はない。
けれど学科もできたらいいなー。小中高の文字で理解する教育の集大成でしょ。やろうよ。
多摩美もお勉強好きって子は好きなんだよ。

また今度、ゆっくり話そう。

では。
 

おはようございます。

  • 2011年12月14日 06:38

月蝕中は地元静岡に帰っていました。
お久しぶりです。

今日は、朝から小雨です。

散らかり放題の机の上の本を整理しています。
心の隙間がなくっていくようで、いいんだか悪いんだか。

川端康成の「名人」という文庫本がでてきました。

凛と背筋を伸ばす今日この頃です。

近道は近道でない。
受験生の皆さん、まっすぐ頑張ってください。

雨傘 2

  • 2011年11月 7日 04:27

芸祭最終日、雨もギリギリセーフな感じで、学生は完全燃焼したのかしら?
また楽しい話を聞かせてください。

さてさてこんな芸祭とかのタイミングですが、
個人的な雨傘1の続き書いてしまいます。


「逃げ水」の主人公の高橋泥舟は、明治維新に活躍した幕府の人で、
現在、台東区谷中の大雄寺に眠っています。

少しその時代と関連する人の説明します。

明治維新で有名な幕府の人といえば勝海舟でしょうか。
官軍の江戸総攻撃を防ぐため、江戸開城を新政府代表の西郷隆盛と交渉した人。
ちなみに、この交渉の下地を作ったのが山岡鉄舟。

高橋泥舟、勝海舟、山岡鉄舟をまとめて、幕末三舟といわれることがあります。

もし、この3人が幕府側にいなかったら、
派手に国家内乱がおき、
日本は帝国主義列強諸国(ヨーロッパ)に侵略されていたかもしれない。
それを見抜き、新政府に江戸を開け渡す。
これが日本史の教科書に出てくる江戸無血開城って出来事です。
とにかく徳川を滅ぼしたい官軍(薩長連合)は戦う気満々です。
それを相手に国家のありようを示していくにはどうするか、
まったく物事が入れ替わった状態で混乱しますが、
明治維新は新政府側だけで達成できたことではないのです。
幕府側の人間も、国家のために、国民のためにと、
私を捨て活躍しているのです。

もう少しそういうところを教科書でも掘り下げてくれれば、
名誉心や虚栄心を満たすために生きるような器の小さな大人にならないんじゃなかなーと。


やっと、高橋泥舟です。
この人は、槍がめちゃくちゃ使える武術に優れた人で、
鳥羽伏見の戦い以後、最後の徳川将軍(慶喜)の守護警護を担当します。
そしてこの主君慶喜の傍らにいて新政府に従いましょうと説き続けた人です。
徳川家康以来、約260年続いた徳川政権を終わらしてしまった慶喜、
とても聡明だったといわれていますが、
この時期は気が狂いそうだったと思います。命より重いものが・・。
そんな中、揺れる主君にずっと説き続けました。
泥舟の警護のおかげで
慶喜は抗戦的な幕府遺臣らにのることもなく、新政府に従う姿勢をととりつづけ、
それによって官軍と幕府遺臣の争いも小規模で終わったとされているのです。


彼は明治に入り、こんな歌を読みます。 
「狸にはあらぬ我身もつちの船こぎいださぬがかちかちの山」

泥舟という雅号の説明です。

新政府で仕事があると呼ばれても、
自分の主君であった慶喜が隠居しているのに(隠居させてしまったのに)、
自分が世の中に出るなんてありえないと、隠遁生活を送っていくのです。
どんなに貧乏になっても、ただ書画をやって生計をたてるのみ。

維新以後しばらくたってから、
高橋泥舟のことを、
勝海舟は、愛情たっぷりに信頼をもって本物の人間、本物の武士だと評します。
「大馬鹿者だよ・・」と。
海舟は、江戸開城の下交渉に本当はこの泥舟を指名しました。
泥舟が慶喜警護をしていることで、泥舟が鉄舟を海舟に紹介したのです。

勝海舟は海に浮く自由自在の舟です。
山岡鉄舟は目の前のものをなぎ倒しても進む舟です。
(明治初期、その剛直さを西郷隆盛に乞われ明治天皇に仕えます)
高橋泥舟は水に沈む舟です。
読んで字のごとく、それが彼らの生き方です。

「逃げ水」とは、こんな時代のこんな人達が登場する時代小説です。
きっと普通の高校生なら新鮮な幕末観になると思います。
というか、
幕末観というより、絵をやる人に参考になると思って推薦図書的にしましたので、
例えば武の修行のことなど通じるものがあるから、図書館とかでぜひ借りて読んでみてください。


ところで、楠(くすのき)という木を知っていますか?
もともとは日本になかった木のようですが、
関東より西でよく目にする、暖かい場所に生育し大変大きくなる生命力ある木です。
生育している地域が限定されるけれど、よく神社にあります。
静岡県は三島市の隣にある熱海市の来宮神社(キノミヤ)のご神木(樹齢2000年)、
三島つながりで足を運んだ、
愛媛県の大三島にある大山祇神社(オオヤマヅミ)のご神木(樹齢2600年)と、
その奥院にある根をくぐりぬけることができる天然記念物の老楠(樹齢3000年)あたりは、
ため息でるほど大きな木で個人的に大変印象に残っています。

この木は昔から虫除けに使われていました。
箪笥に入れる防虫剤として、楠の木片が売られているのを出店などで見たことありませんか?
ちなみに多摩美八王子キャンパスにも楠はあります。
正門入って道端にズラッと並んでるのがそれです。
悪い虫が入ってこないようにかどうかはキャンパスをデザインした人に聞いてください。

また巨樹になるこの木は、中身がくりぬきやすく丸木舟としても古くから利用されていました。
古事記や日本書紀にも楠の舟は登場します。
空高く天に届くような大きな木に成長し、実際、舟にもなる。
天に昇る舟といわんばかり・・か。
以前日本霊異記の雷の話を書きましたが、楠をそういう要素で使うこともあるのではないかと。

さて、楠という漢字は、木編に南と書きます。
陰陽五行説では、南は火をあらわし、上に上にいくものと考えます。
ちなみに北は水をあらわし、下に下にいくものです。
易(先天易)では、南は天(陽)をあらわします。北は地(陰)になります。
陰陽五行説も易も、もとは古代中国の思想というか宇宙観でしょうか。
日本には5世紀あたりに輸入され、日本の風土にあわせアレンジされ発展します。

何かしら関係しているのでは?
まんざら天に昇る舟というのも間違いではないでしょ。


大雄寺に入ると、
空にまっすぐ伸びる大きな楠(樹齢200年程)がすぐ目に飛び込んでくるのです。
台東区の保存樹木になっているほど立派な楠です。

その楠に守られるように抱かれて高橋泥舟は眠っています。
もう沈むことはないんだなーと、なんだかうれしくなってきます。
それと同時に、今どこを航海しているのだろうか?
彼の墓石の前でその木を見上げ、葉の茂みで見えない向こうの空に思いを馳せてしまったりもします。

訪れたその日は、急に夕立のような雨が落ちてきました。
パサパサパサと上の方で音が聞こえます。
本当に濡れないのかもしれない・・。
見上げていた目線をゆっくり目の前にある高橋泥舟と刻まれた墓石に戻しました。

涼しげな顔で、泰然自若とそこに彼が座っている・・。

こんな心躍る雨もそうそうないでしょ。
一人頷き、手を合わせながら、しばらく雨宿りさせてもらいました。


面白い本に出合うと、
恥ずかしいけれど、
こんなことがあったり、なかったり・・。

うん、とにかく物事のきっかけにはなると思う。

とにかく受験生は大学生になったらたくさん本を読んでみてください。

油断大敵

  • 2011年10月24日 04:39

立命館大学の八重樫先生、安藤君、
その他多くの関係者のみなさま10/21は大変お世話になりました。
ありがとうございました。

立命館大学びわこ・くさつキャンパスに足を運ぶと、
すべてがうわさ以上で、その規模に圧倒されてしまった。
手羽さんと、多摩美とかムサビとか簡単につぶされそうだねと、
ふたりの気持ちは自然と寄り添い、
手羽さんの歩き方に問題なく、自然と肌が触れ合ってしまった・・感じ。

昔、手羽さんが広報課に配属される前か、配属された直後か、
前任のムサビ職員の方に誘っていただき、
立命館大学衣笠キャンパスに大学職員をテーマにしたシンポジウムを聞きにいったことがあった。
この時も有給だったけれど。

手羽さんから今回のムサタマトークの話があった時、
密かに、以前のことを思い出していて、
ムサビの人のパワーはすごいなと思っていた。
大手総合大学に顔きかしてこようとするんだもん。すごい。

前回の衣笠キャンパスでも、
ムサビの職員の方と一緒にいたことで大変勉強になったけれど、
今回の手羽さんも、
横やり入れられないぐらい準備がよくて、とても勉強になりました。
ほんと、しっかりしてて、そういうの偉いなー。
手羽先生って感じ、皆さんに見せたかったですよん。

終了後の懇親会で、やっと普段の美大トーク復活かな。
授業の裏返しかな笑。バランスバランス。
一般大学の学生に知ってほしい美大ってのはさ・・。
そこで、感動した話がひとつ。
手羽さんが何学科出身だったかといえば、彫刻学科ね。
いつもデザインの方がよかったと、言わんばかりの話になってしまうけれど、
彫刻学科出身らしい話をきけた。
その話をする手羽さんを見て、僕はとてもうれしくなった笑。
言葉が飾られてなくてとてもよかったの。
内容は教えてあげない。プレミアものよ。


さて、今回、待ち合わせから手違いがあったけれど
本当はね、
10/20の予定は、成安造形大学に午後14:00だったかな。
僕の頭の中は、一人で成安造形大学近くの比叡山坂本周辺を散策した後、
手羽さんと合流する予定だった。

そんなことより、
成安造形大学はロケーションいいところにありますね。
写真からは想像もできない程よい感じです。

10/23の土曜日、手羽さんが朝イチで東京に戻るっていうから、
一人行動はその時か。

10/23当日は天気が気になったけれど、
自分との約束通り、朝早くから坂本周辺に行ってきた。
やっと初日のイメージにおいついた。

ここ坂本は比叡山延暦寺の里坊があったり、日吉大社、日吉東照宮、また坂本城跡など、
いろいろ興味深い歴史がひっそり横たわっている場所です。
機会があれば、ぜひどうぞ。
観光協会行けば自転車レンタルもできる。坂道すごいけれどね。
八王子山という山もあるけれど、今回は小雨が降ってきたから登らない。スルー。

さて、比叡山延暦寺には「不滅の法灯」といわれる、1200年以上照り続ける灯があります。
正確にいうと、戦国時代に織田信長の焼き討ちで消えてしまった・・んだが、
山形の山寺(立石寺)に分灯してあった灯があって、それを戻して・・。

ともあれ、
油断大敵とは、
この灯をともし続けるために菜種油を入れ忘れてはダメよ、をあらわしているみたいですね。

油断大敵と、継続すること。
ただ油を足せばいいだけじゃない、
灯をともし続けるように油を足さなければならない・・。
こういう心境が追い込まれた時のねばりになるんだろう。
受験もそうね。
そういう灯でしょ。


京都駅に戻ったら、雨が降ってきた。
ホームに立つと雷までおちてきた。
すぐに新幹線に飛び乗った。
ぐっすり眠って、実家のある静岡県三島で目が覚めた。
過去に入り込むと、よくこういうことがある。


手羽さん、
今回の関西遠征いろいろどうもありがとう。

雨傘 1

  • 2011年10月13日 03:11

過去の日記を読むとどうもくすぐったい。
めったに着ないニットのセーターをきてしまった感じがする。

未熟で過去に気付かない振りができないから、
ココロは日々成長しているものだと思い込み、
恥ずかしさにフタをして、
さらにオーナーの手羽さんの顔を思い出しながら、日記を更新しようとパスワードを入れる。
この前、学食でおごってもらっちゃった、ありがとう。

たまに更新するだけなんだけれど、
受験生にはたまの息抜きになってくれていればうれしく思う。
少しは多摩美の情報を入れなければと思うけれど、
多摩美の正確な情報は、やはりホームページで確認していただけるとありがたい。
受賞報告など励みになるニュースも随時更新しています。

とはいえ、今日はまだホームページに出ていないことを書いてしまおう。
正式に決定したことだから、早くホームページに出ないかなと待っていたけれど、
外に伝えてよって担当者からもあったし、悪い知らせでもないし、
ここで知らせても不公平感がでる情報でもないから、まずはここにメモ書きしておきます。

 2012年度の学費が全学年少し下がります。
 特に、新入生は入学金も変更されるので、
 美術学部なら初年度納入金がこれまでより8万円ちょっと下がるようです。

正式な情報は、後日しっかりとホームページで確認してください。



さて、さて、夜も遅い時間になりました。
またもや丑三つ時。
見えないものが見えてくる。
私的なことになっていってしまいます。

この3つ前の日記で「逃げ水」って本を紹介したけれど、
この小説の主人公は高橋泥舟といいます。
江戸時代の幕末から明治初期の話なんですが・・・。



ごめんなさい。
続きは後日・・。
もう、今日はたおれます。
おやすみなさい。


徹夜組の受験生はファイトでしょ。
 

空がとまってる

  • 2011年9月22日 04:41

台風15号。

帰路、
降りすさぶ風雨で、
駅から出て2秒程であっさりと傘が折れ、
すっきりとびっしょりで帰ってきました。

嵐が去った東京の夜です。


相変わらず夜中当番です。
手羽さんが起きるまえには更新するつもりです。

今週末の土・日曜日は、多摩美術大学は八王子キャンパスで進学相談会です。
例年、8月に開催していたものです。
本学は後期授業も始まっていますから、土日といえども大学の雰囲気も感じることができます。
学習の意欲持続にぜひ活用してほしいかなと。

ちなみに、私は、日曜日、パシフィコ横浜にいます。
大学進学フェスタ2011」というイベントに5美大で参加しています。
パシフィコ横浜には本学の教員はいません。
本学に興味のある方は、やはり八王子キャンパスの進学相談会に足を運んでほしいと思います。
だから、土曜日八王子キャンパスに行ってきたという人で、
横浜周辺に住んでいて、いろいろな美大に興味がある方は、ぜひパシフィコ横浜です。
よろしくお願いします。
と言いつつ・・、
基本的には各美大が美大受験層の裾野を広げたいと目的を共有して参加していますから、
分野に迷っている、特に高校1,2年生との出会いはとてもうれしいですね。
美大って何?ってことから、各美大の特長を知りたい方、いろいろな活用ができるかもしれません。
高校1,2年生であれば、まずは、これをきっかけに美大を知って、
今後開催される、各美大の学園祭(芸術祭)に行くのがいいかもしれません。

久々に宣伝的だ。

ついでに、多摩美テキスタイル専攻のニュース。
マリメッコ60周年で・・
まずは、候補に選ばれるってことだけでも素晴らしいのでは・・。
とにかく学生時代は地道に地道に美大生らしくがんばりましょう。
何か一発ねらっても、普遍的な力がなければ、信頼されません。
こういうのは、どの分野も同じです。

私等ごと。

手羽さんたちとの男だらけの新宿集合の件。
今さらなんだよといわれそうですが、
何だか、さりげなく私が大頭であるような風になっていたんですね。

「米ちゃん、アフロそれ以上かぶらないで!」(手羽大明神の声)

せっかくだから・・鳴かなくもつかってみようホトトギス・・のノリでしょ。
ふっちゃった手前・・みたいな感じでしょ。
気にはしてないんだけれど、そのトリ本当にホトトギス?もう手羽さんったら。

そうそう、男だらけの反動で・・・
日芸のぴち子さんが・・といっても当然面識もないんだけれど、
最近の日記で京都の貴船神社のことが書いてあった。

付け足していい?

貴船神社といえば、京都のまちの北側にあって、
北といえば、陰陽五行説では水が対応している。
やはり水がまつられている。
鴨川の水源地で、気持ちよい美しい川が流れ始める。

プラス、恋愛の神様。
恋愛はやはり水ものかね。

この貴船の恋愛の神様って、石長比命(イワナガヒメ)だね。
彼女は、天から降りてきた方が地上で最初に結婚したお姫様のお姉さん。
一緒にお嫁に行った、妹のコノハナノサクヤビメは美しかったけれど、
このお姉さんはあまり美しくないということで実家に戻される。
天から降りてきた神の子孫(天皇)に何で寿命があるのかは、
花は一瞬の輝きをもつが寿命がある、石には寿命がない、
花だけとって、石を実家に戻すとは・・・。
こんなことが古事記に記されている。

さて、そのイワナガヒメが恋愛の神様になっている。
何か不幸だよ、逆のような気がする。

ただ、こういうことはよくある。

だから、ちょっと想像力を働かして・・。

恋が長続きしますように、
声が聞こえてきそうです。

よかった、イワナガヒメも救われる。


ん、何だか、今日は夜中の空気に完全にのみ込まれた。
半夢かい。


朝当番の手羽さん、おはようございます。
 

夏休みも終わりですか。

  • 2011年8月31日 06:00

お久しぶりです。
日曜日グッドデザインエキスポ、手羽さんいたんですね。

つゆ知らずで、失礼しました。ミスったな。連絡すればよかった。
同じ時間に私もいましたー。残念。

プラレールは面白かったですね。
レールをかえずに車両をかえて複線にするってすごいな。
ある意味、あそこにいた親(大人)の方が関心高かったかな。

ところで、
先週末は、上野毛キャンパスでは映像演劇野田秀樹教授の専門演習で「半神」が上演されてました。
夏休みに関係なく多くの学生が大学にいるっていい感じですー。

そんないい感じの中、金曜日だったかな、上野毛にすごい雨と雷がやってきた、怖かったー。

雷といえば、
お盆の時期、妻の祖母のお墓参りで京都に行ったついでに、上賀茂神社にブラりと寄ってきました。
とっても古い神社で、賀茂別雷神社ともいわれています。
ここの宮司さんは親切に神社の伝承を話してくれます。
賀茂別雷(かもわけいかづち)の神様がまつられているんですね。
別は若に通じる意もあるようで、例えば子供雷というのでしょうか?
それはおいといて・・・。

確か、いかづちは「五十土」とも書くんだったかな。
面白い漢字のあて方だね。この字を使った地名もあるんだけれど、そういうことより、
何だか地面の中で力を貯めている雷様のイメージが浮かんでくる。
雲の中にいると思いきや地面の中にもいるとは、「まさか」と強く惹かれていく。

平安時代に編集された「日本霊異記」という説話集がある。
この説話集の名前は、日本史の試験で出題されることがあるかもしれない。
とはいえ、あまり内容には触れないか。
その中に雷の話がある。
雷が落ちてきて、こらしめようとしたら、
恩返しするからと、
楠の桶に水を入れて、竹の葉を浮かべてくれといって、また天に登っていく話がある。
これは雲になって上がっていくようだけれど・・・
そうなんだけれど「五十土」がどうも頭から離れないんだな。
本当のところ、雷は上から下に落ちるだけなのか、下から上にあがることはないのか、を知りたくなる。

どうやら落ちるばかりではないようだぞ。


受験生の皆さん、夏休みの学習は充実しましたか?
ここで身に付けたと思うことをもう一回疑って復習してみると、
もっと追究できることが見つかるかもしれません。
残り5ヵ月がんばってください。


ちなみに、
グッドデザインエキスポの帰りは、東京ビックサイトから水上バスで浅草まで行ってきました。
ふいに、浅草の雷門に寄ってこようと。

なぜ、浅草に風神雷神なのか?
なぜ、風神もいるのに雷門で親しまれているのか?

いろいろあるんだろうな。

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